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肺炎の概要について

更新日:2022年4月9日

 皆さん、暖かくなってきましたが、いかがお過ごしでしょうか?

これから我々獣医師を悩ませる病気である肺炎について見ていこうと思います。

 肺炎は肺と細気管支(気管支から枝分かれした直径1-2mm位の細い気管支のこと)の炎症疾患です。牛の呼吸器疾患の95%を占めると言われています[1]。国内では、肉用牛の病傷事故の23.1%、乳用牛の病傷事故の8.5%[2]を肺炎が占めています。

 肺炎が、なぜ獣医師を悩ませるかといいますと、①牛の免疫力、②寒さ、過密及び空気の悪さなどの環境、③ウイルスや細菌の感染、これらが絡み合って起こる病気なので、獣医師が目の前にいる牛の肺炎は何が原因なのか?と診断することが難しいことが理由です。さらに子牛時代に肺炎を患い、治療で一時的に症状が治ったとしても、発育不良に影響します。

 したがって、肺炎を予防するためには、常に①牛の免疫力を上げること、②牛舎の環境を改善すること、③人間がウイルスや細菌感染についてよく知ることが必要となります。

 次回から予防するための三本柱について詳しく見ていきましょう!!

 

 

[1]稲葉睦、加藤敏英ら:子牛の医学、pp188、2014

[2]平成30年度家畜共済統計表より引用



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