肺炎の予防:①牛の免疫を上げること (part1 免疫グロブリンについて)
- 本部 合同会社MOMONET
- 2022年4月19日
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更新日:2022年5月9日
肺炎をこれからお話ししようとしていた矢先、風邪をひいて鼻詰まりや痰で悩まされた筆者です。免疫を上げることに努力します。皆さんもお気をつけ下さい。
さて、肺炎の予防三本柱の一つ、①牛の免疫を上げることについてです。
免疫は体の中に侵入した病原体をやっつけてくれるシステムのことです。子牛はほぼ無防備な状態で生まれてきます。子牛が無防備な状態では、病原体に負けてしまいます。病原体に対抗してくれる救世主が、皆さんもよく知っている免疫グロブリン(Ig)です。Igは分娩後の初乳に豊富に含まれています。免疫グロブリンとはIgGではないの?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、Ig=免疫グロブリンであり、免疫グロブリンの中にG、A、Mなどの種類(型)があります。牛の初乳中に含まれるIgはIgGが85%程と言われています[1]。
子牛が生後24時間以内に良質な初乳を飲むと(理想は生後6時間以内に1回目の初乳を飲ませたいです)、Igが腸管で吸収されます。その後、Igは血液で全身に運ばれ、肺や気管を守ってくれます。
良質な初乳を適切に飲むことで、子牛の免疫は生後2週間程度守られると考えていいでしょう。
次回は初乳のIg濃度をさらに高めてくれるワクチンについて見ていきましょう!
[1]B. P. Smith et al., Large animal internal medicine 5th edition, 2015, pp286より引用

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