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細菌性腸炎(下痢)〜サルモネラ菌〜について

更新日:2022年3月9日

 前回は大腸菌による腸炎について書きましたが、今回はサルモネラ菌による腸炎についてみていきましょう。

 サルモネラ菌は構造によって細かく分類されていて、2,500以上の種類があるようです[1]。その中でもTyphimurium(ティフィムリウム)、Dublin(ダブリン)、Enteritidis(エンテリィティディス)は届出伝染病に指定されています。親牛にも感染し、非常に危険性の高い病原菌であることが知られています。

 サルモネラ菌による腸炎の症状の特徴は、個体によって差はありますが、発熱、粘液混じりもしくは水様性の血便、悪臭(何とも言えない臭い、例えるならば魚介類が腐った臭い…)の下痢です。また糞便と一緒に偽膜(腸の粘膜の様なもの)が見られることがあります。

 サルモネラ菌は糞便に排出され、糞が口に入ることで感染します。感染力が強く、子牛を個別飼育していなければ、大惨事になります。実際にサルモネラ菌が発生した農家では、下痢の糞便が飼槽、水槽、通路に付着して健康な牛の口へ入ってしまい感染が広がったという事例が多く見受けられます。

 


[1]稲葉睦、加藤敏英ら:子牛の医学、pp228、2014



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