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細菌性腸炎(下痢)〜クロストリジウム菌〜について

 今回はいよいよ細菌性腸炎の最終回です。クロストリジウム菌について見ていきましょう。

 クロストリジウム菌は土壌中や河川など自然環境に広く生息しています。酸素濃度が高い環境下で生息することが苦手な菌ですが、そのような環境では芽胞という硬い膜を作り、生き延びようとする性質を持ちます。

 牛の腸炎で一番有名なクロストリジウム菌は、クロストリジウムperfringens(パーフリゲンス)で[1]、子牛から成牛まで幅広く感染し、発症時期も様々であることが知られています。クロストリジウム菌は牛が比較的元気な時、悪さはしません。しかし、飼養環境の急変、濃厚飼料の多給など様々なストレスが引き金となった時、酸素濃度の低い腸管内でひっそりと息を潜めていたクロストリジウム菌が異常に増殖します。

 クロストリジウム菌による腸炎の症状の特徴は様々で、血液が混じった下痢から急死する壊死性腸炎(鼻や口、肛門から出血を伴う下痢)[2]があげられます。壊死性腸炎はほとんどの場合、症状が見られず急死するので、有効な治療方法がありません。

 したがって予防対策が重要だと言われています。牛舎の清掃・消毒、適正な飼料給与はもちろんですが、ワクチン接種などもおすすめです。




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