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採卵のリスク

更新日:2022年5月16日

 肺炎シリーズの途中ですが特別編!ということで、今回は受精卵移植(ET)に関する中でも、受精卵を採卵するリスクについてお話ししたいと思います。


 エサ代が高騰しているので、個体販売の利益を得るために和牛受精卵のETを始めた!という方も多いのではないでしょうか。またゲノム検査をして、牛群改良を早く進めるために自社牧場の乳牛受精卵ETをやる、という方もいらっしゃるはずです。


 ETをするには、まずは受精卵を手に入れるとこから始まります。この受精卵を採るための採卵にはリスクがあることをご存じでしょうか。


 まず採卵するにはたくさんのホルモン剤を使って、卵巣から卵子を多く排卵させます。このことを「過排卵」といいます。過排卵を起こすと、卵巣では複数の排卵が起こるので出血します。その結果、卵巣が癒着しやすくなったり、ダメージを受けます。

また複数のホルモン剤を連日投与しますので、採卵に使った牛は注射嫌いになります。さらに最大のリスクとして、大量のホルモンを打つのでホルモンバランスが乱れ、定期的な発情さえも分からなくなることがあります。(実際に、採卵を2回した牛でその後明瞭な発情が来なくなり、受胎もせず廃用になった牛もいます。)


 牛群を改良する目的で自農場で一番優秀な牛から採卵して改良を進めるときにも、その牛がもしかしたら、もう種が付かなくなるかもしれない、ということをやる前に理解する必要があります。でないと後悔するかもしれません…


 私たちは、牛に無理をさせているということを忘れないことも大事です。

採卵には、能力の高い牛を大量に生産できるメリットもありますが、デメリットもしっかり理解したうえで行って欲しいと思います。





 
 
 

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